会話の主導権を握りたい。でも、逆に会話の主導権を握られてしまった、という経験はないでしょうか?
ビジネスをしていると相手に主導権を握られる経験は必ずあります。挙げ句の果てにはそのままビジネス提案されてしまうということも。
ですので、主導権を握るのはビジネス現場では必須条件です。会話の主導権を握れないことは、売上に繋がらないことを意味します。
主導権の意味は「主体的に導くリーダーシップを取ること」です。主導権を握るためには、自らが会話の方向性を決めていく必要があります。
でも、難しく考える必要はありません。主導権を握るための答えは「質問力」を身に付けることです。
そのため本記事では『質問力を飛躍的に高めるための方法』についてお伝えしていきます。
目次
会話の主導権は8:2の法則
まずは会話の主導権を握ることの誤解から話します。なぜなら、よく話す人(言葉数の多い人)が主導権を握ることとイコールになっている人が多いからです。
でも、本質的には違います。会話の主導権を握るためには口下手でも語彙力がなくても全く問題なし。
理由は簡単です。
よく話すだけの人は相手のニーズを汲み取っていないからです。言いたいことを言っているだけ。
相手のことを知るためには「言葉」を聞く必要がありますよね。でも、よく話す人は「自分が何を話そう」とばかり考えていることが多く、相手のことを知ろうとしないのです。
ですので、よく話す人にはならなくてOK。むしろ相手を知るためにたくさん質問をしてあげてください。
目安として会話の黄金比率は「相手:あなた=8:2」です。
わざわざ会話中に数字を意識するのは邪魔になるだけので必要ないのですが、会話を終えたときに「今回はどうだったかな?」と思い返すぐらいでいいと思います。
大切なのは、あなたが質問をした上でこの比率にできていることです。単に相手がペラペラと勝手に話をして「8:2」になるのでは主導権を握っているとは言えません。
ポイント
- あなたが質問を多くしている
- 8:2の会話のバランスができている
この2つを満たしていることが会話の主導権を握ることの条件です。
質問は脳をハッキングする
質問を制するものは会話を制するといっても過言ではないぐらい、質問力を極めていくことが強力な武器となります。
質問は相手の脳をハッキングする力があるからです。ちょっと体感して欲しいので僕の質問に答えてください。
僕が質問を投げている瞬間は強制的に質問内容を考えたはずです。
脳は空白を嫌います。遺伝子レベルの防衛本能から「分からないこと」を避けようとします。ですので、質問すると空白ができて埋めようとするのです。
質問をしている間は、質問をしている側が会話の方向性を決めています。
つまり、質問が会話の主導権を握るというのは脳の仕組みから言えることなんですね。
でも、この質問も注意が必要です。「脳をハッキングできるから質問しまくろう」なんて考えていたら大失敗します。
質問するというのは、あくまでスキルの世界です。大失敗しないための考え方を具体的なスキルをお伝えした後に解説していきます。
質問は5W1Hで解決
具体的に質問力を向上させる方法についてお話します。
あなたは、5W1Hという言葉は聞いたことがあるでしょうか?5W1Hは以下の英単語の頭文字を取って言います。
5W1H
- What(何を?)
- Who(誰に?)
- When(いつ?)
- Where(どこで?)
- Why(どうして?)
- How(どうやって?)
最初はこの5W1Hを意識すると質問の切り口を作りやすくなります。
具体的な使い方
例えば、「セミナーを受けたい!」と言っている人がいたら5W1Hで以下のように聞きます。
1つのキーワードだけで6パターンも質問が出てきました。
会話はキャッチボール
6パターンの質問を立て続けにしたら単なる拷問です。絶対に質問攻めにしないでください。
会話はキャッチボールが大切です。「8:2」の「2」の一部は、相手の話をきちんと聞いているという反応を示す部分でもあります。
例えば、以下のようなキャッチボールです。
このような流れ。必ず相手の発言を1回受け止めてください。これがスゴく大切です。
質問に目的意識を持つ
質問をするときに重要なことが目的意識をもって質問を投げるということです。
例えば、セミナーの内容が気になったのなら「何のセミナーを受けるんですか?」、日程調整をするためなら「いつセミナーを受けるんですか?」という質問ですよね。
本来の目的が無ければ、質問をすることが目的になってしまいますので本末転倒となってしまいます。
Whyは禁断の質問
5W1Hの中でもっとも気を付けるべき質問が「Why(なぜ?どうして?)」です。
相手のことをを深く知ろうと思って、最初に失敗してしまう質問の代表格です。
「なぜ、時間内に仕事が終わらなかったのですか?」
「どうして、売上目標を達成できなかったんですか?」
Why(なぜ?)は論理的に考えさせる質問で、問題の核心に迫っていくことができます。その反面、相手の感情に強いストレスを感じさせたり萎縮させてしまう効果があります。
あなたも「なぜなぜ質問」をされたら嫌な感情になりますよね?ですので、Whyを使うときは限定的にすることをお勧めします。Whyを使う場面は以下の2点に限定してください。
- あなたに心を許してくれている
- 話題がポジティブである
あなたに心を許してくれている場合は、信頼されているので「なぜ?」と理由を聞いても教えてくれます。もちろん信頼されているからといって多用しないように。
また、話題がポジティブなら相手は深く聞いて欲しいはずなのでこちらも問題ないです。
Whyを使わない代替質問
Why(なぜ?)に代わる方法としてWhatやHowを使うという方法があります。
例えば、先ほどのWhyを使った2つの質問をWhatやHowに変換します。
「時間内に仕事を終わらせるためには何をしたらいいと思いますか?」(What)
「どのようにしたら売上目標を達成できると思いますか?」(How)
前よりも随分と答えやすい質問になりました。
このようにWhyを使わなくても、相手から回答を得られる方法があります。
相手になるべく負担をかけさせないような質問をするように心掛けていきましょう。
信頼関係があることが大前提
会話の主導権を握るためには「質問力」が重要です。しかし、質問力があれば100%主導権を握れるかというと違います。
どれだけ優れた質問も信頼関係があってこそなのです。信頼関係のない状態での質問というのは、土足で踏み込むようなものです。
「相手をコントロールしてやろう」とか考えていたら相手に伝わります。
人は言葉以外で「表情」や「態度」などで複数のコミュニケーションで感じ取れる生き物なので。
昔、僕自身も質問するというテクニックを学んで素直に実践したことがありました。
その結果、「なんか・・・面接受けているみたいだね」って言われて申し訳ないと感じたことを覚えています。
信頼関係を構築する方法はこちらに詳しく書いています。
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会話の主導権を握るためであってもスキルだけでは駄目です。本質的には人を大切にするという考えがあってこそですね。
最後に
質問力を向上させると会話の主導権を握れるようになります。そして、結果としてビジネス提案まで繋がって大きな売上を築くことも可能です。
最後に主導権を握るための要素をまとめます。
ポイント
- 質問は5W1Hで何度も実践する
- キャッチボールするような会話を意識する
- Whyの代替になるWhatやHowに変換する
- 質問は目的意識を持ってする(質問することが目的にならないこと)
- 何よりも信頼関係があることが大前提である
質問力も訓練が大切です。いきなり上手に出来るわけではないです。最初はぎこちなくて違和感を感じることもあるかと思います。
でも、それでいいです。
何度も質問をアウトプットしていくと必ず上達して、気付いたら質問マスターになって会話の主導権を握れるようになりますので是非やってみてください!