マーケティング

要注意!マーケティング戦略で顧客を魅了するUSPとは

更新日:

どうも、ブランドマーケッターの安藤です!

マーケティング戦略の1つにUSP(Unique Selling Proposition)というものがあります。

USPは様々なマーケッターが独自の定義を打ち出しているので混乱される言葉の1つです。ですので、いざUSPを作ろうとしたときに「結局はどういう意味なの?」か分からなくなります。

そう思ってGoogle検索してみても、どこも定義がバラバラ・・・。結局、USPってなんだ・・・。っていう疑問だけが残るという結果に。

USPは抽象的な概念でもあるため「USPとは何か?」について言葉足らずや間違った解説をしているWEBサイトも多く散見しています。

USPの誤解・USPはコンセプトである
・USPは生活者への究極の約束である
・USPこそが究極のマーケティング手法である

残念ながらこれらはいずれも極論に過ぎず正しい意味とは言えないです。

そのため、USPを実務的に取り扱おうと思っていても「どのようにUSPを使うかよく分からない」という事が起こり得ているのが現状です。

そこで今回は「USPとは何か?」や「USPをマーケティング戦略でどのように取り入れるか」が直感的かつロジカルに理解できるような内容を解説していきたいと思います。

この解説を最後まで読んでいただければ、あなたは「USPの意味や目的」を理解することが出来るようになり、実務においてもマーケティング戦略の中でUSPを取り入れることが可能になるでしょう。

それでは始めていきましょう。

USPとは何か?

USPはUnique(独自の)Selling(売り)Proposition(提案)であることから、「独自の売りの提案」と言われています。

ですが、これだと「独自の売りって何?」と、あまりにも抽象的でピンと来ない人も多いのでは無いでしょうか。

曲解してしまえば「独自の売りなら何でもいい」とでも受け取れそうにも思えます。そうなると、「私は誰よりも笑顔が素敵です」というのもUSPと言えますよね。

たしかにこのUSPは「独自の売りの提案」かもしれませんが、それを理由に商品・サービスを購入しようという気持ちにはならないはずです。

このことから、USPは独自の売り」以外の何かが必要であることが分かります。

定義と意味

USPという言葉は、1960年代に米国の広告コピーライターだったロッサー・リーブスが提唱した広告理論のことです。ロッサー・リーブス著書「USP」で広まりました。

当時のアメリカ広告では「人々の記憶に残らない」ことや「購買意欲が低い」という問題があり、どうやったらこの問題を解決できるのか生まれたのがUSPです。

著書の中でロッサー・リーブスは「人々の記憶に残す」ことよりも「購買意欲を高める」ことの方が重要であると伝えています。

また、ロッサー・リーブスはUSPを以下のように定義しています。

 

ロッサー・リーブスの提唱するUSPの定義1.生活者に対する提案でなければならない

2.競争相手が示せない独自性がなければならない

3.大衆の心を動かせるほど強力でなければならない

それぞれもう少し具体的に解説していきますね。

生活者に対する提案でなければならない

先ほどUSPは「独自の売りの提案」ではありましたが、単に独自性を打ち出すだけでは購入する理由にならないという話をしました。

しかし、「独自の売りを提案」する対象者を生活者に置いたらどうでしょうか。

これまで曖昧だったベクトルを生活者に向けることでより鮮明にイメージできるようになったと思います。

USPの代表例としてよく使われる「ドミノピザ」ですが、まさに生活者視点で考えられた秀逸なUSPです。

あつあつ、ジューシー、おいしいピザ。30分以内にあなたのもとへお届けします。30分以内に届かない場合、代金は決していただきません。

当時は配達しているピザ屋の総数(ライバル)が少なく、さらに配達が遅れてピザが冷めてしまっても代金を支払わなければいけませんでした。

その生活者の「常にあつあつのピザを食べられる」、「注文してから30分以内にピザが食べられる」という期待に応えて、実際に何年にも渡って市場を制してきました。

少し余談ですが「注文してから30分以内」は交通事故が多発して途中で廃止になっています。時間に間に合わせようとする焦りから生まれてしまったのでしょうね・・・。

競争相手が示せない独自性がなければならない

そもそも競争相手が示さない独自性でなければならない理由を考えてみましょう。競争相手と同じまたは同じようなUSPであっても売れるのではないか?

実はこれ売れます。実際にインターネット上のUSPで似たようものをいくつも見ますが、USPの有無だけで売れるか否かの決定要素にはならないです。

あなたは超有名ブランドであるスターバックス、ディズニー、アップル、コカコーラなどのUSPを聞いたことがあるでしょうか?おそらく無いと思います。

超有名ブランドを見て「USPがある=売れる」、「USPが無い=売れない」という構図が成り立たないことは明らかです。

では、何のためにUSPを打ち出さなければならないかという話なのですが、これは「あなたから買う理由」を効果的に高めるためになります。

生活者や顧客が商品・サービスを購入する理由はUSP以外にも「価格」や「販売者のポジション」など複数存在し、USPもこれらと同じような判断材料の1つとして役割を持っています。

特に今の時代はインターネットで何でも調べられる時代です。

ここで他社には無いUSPを打ち出すことで生活者の「あなたから買う理由」が出来れば優位にビジネスを進めることができます。

大衆の心を動かせるほど強力でなければならない

USPが独自の売りの提案である対象は生活者であるという話はしました。この独自の売りの提案が生活者にとって魅力的なメリットがないといけないということです。

でも、大衆の心を動かすほど強力であるというのは少し難しく感じるかもしれませんね。

実際に私もUSPを何度も試行錯誤して検討しましたが直ぐに見つかるほど簡単なものではないです。

むしろ簡単に見つかるようなら競争相手も簡単に見つけられるものだと思ってください。ですので、見つからないことに凹む必要もないと思います。

強力なUSPを見つけ出す考え方としては、世の中で解決されていない「不」を探し出して、誰よりも早くUSPを打ち出していくことが重要です。

「不」から連想できるキーワードには「不満」「不安」「不快」「不便」「不足」などがあります。

そして、この「不」には大きく分けて2種類あります。

POINT・もっと改善したいこと(ゼロからプラス)

・今すぐ解消したいこと(マイナスからゼロ)

「オシャレになりたい」、「もっと時間が欲しい」、「おいしいレストランで食事がしたい」というのは無くても困らないですがあったら尚良い「不」です。

「害虫を駆除したい」、「腰痛を治したい」、「嫌いな上司を変えて欲しい」というのは早く課題を解消したいという「不」です。

USP発見の手掛かりとなる切り口なので覚えておくと良いと思います。

例えば、M&M'Sの場合はチョコレートを食べている人が日々感じていた手にチョコレートが付く「不快」を解消する以下のUSPを打ち出しています。

お口でとろけて手にとけない。

レンタカー業界のエイビスレンタカーは少し面白い切り口のUSPです。

当社はNO2です。もっと頑張ります。

さて、エイビスレンタカーの成功事例から学べることは、「USPは商品・サービスの中身だけではない」ことや「USPはコンセプトと同じではない」ということがお分かりになると思います。

因みにこういったUSPを提案して約束を果たさなかったらどうなるでしょうか?おそらくその会社のことを信用出来なくなると思います。

もっと頑張ると言っているエイビスレンタカーの営業が顧客のいないところでサボっていたら嘘付きだと感じますよね。

ですので、「USP=生活者への究極の約束」というよりはUSP=生活者へ絶対に果たさなければならない約束という解釈の方がしっくり来ると思います。

強力なUSPを構想しても約束を果たせないようであれば、それは打ち出さない方が良いUSPだということです。

そしてUSPは構想するだけでは当然広まることはないです。

インターネット、テレビCM、チラシ、営業など全てのマーケティング活動を通じて素早く広めていく必要があり、どれだけ市場で一番目に構想したUSPであったとしても拡散したもの勝ちになるということです。

腹落ちできる定義と意味

結局のところUSPとは何なのか?これまでの考え方から完結にまとめていこうと思います。

USPとは何か?・USPは生活者の購買意欲を高める戦略の1つ

・USPは「誰よりも先に」「独自の強い提案を素早く広めていく」必要がある

・その提案内容の約束は絶対に果たさなければならない

これなら最初よりも遥かにUSPという存在を理解しやすくなったのではないでしょうか。

USPとブランドプロミスの違い

USPとブランドプロミスは「生活者や顧客への約束」という同一キーワードから同じ意味合いで認識されることもしばしばあります。

ですが、USPはマーケティング戦略の話であり、ブランドプロミスはブランド戦略の話で立脚点が全く異なります。

ブランドプロミスは生活者にとってのブランドに対する価値を総合的に約束するもので、品質・性能などの実利価値(メリットの有無)から、自己表現を満たす共鳴価値(共感の有無)など様々なものがあります。

例えば、ファーストフード店の代表格であるマクドナルドが一時期「サラダマック」という健康志向の商品を販売しました。

この頃の市場調査で生活者は健康志向であったにも関わらず「サラダマック」はうまくいきませんでした。

これは生活者にとってマクドナルドというブランドに対する価値が「ボリューム満点でこってりしたものを低価格で食べたい」という人が多かったからだと思います。

「サラダマック」はマクドナルドらしくなかったのでしょう。

ブランドプロミスというのは、この「らしさ」を約束するためのものです。

「らしさ」というのは生活者の心の中にあるものなので「どうやったら生活者に愛着を持ってもらえるようなブランドになれるか?」を総合的に約束を果たしていくものです。

一方でUSPはブランドに対する総合的な約束を提案するのではなく、的を絞りこんで生活者に訴求する戦略です。

USPとキャッチコピーの違い

キャッチコピーとUSPの違いは「戦略」と「戦術」の違いが分かれば理解できます。

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

戦略は目的達成するための方向性を決めるもので、戦術はより加速させるための具体的な手段のことを指します。

USPは「独自の売りの提案」をするための「どれが一番購買意欲を高められるか?」という方向性を決める戦略であり、キャッチコピーは生活者に対して「どのように伝えるか?」という具体的な戦術になるということです。

USPを使ったマーケティング戦略

USPは構想するだけでは駄目で、どれだけ素早く広めていくかが重要だとお伝えしました。

テレビCMやチラシなどの広告を使った方法はたしかに広めやすいのですがコストが掛かります。

ある程度の資本力があれば広告に投じるのは十分に効果が得られると思いますが、大半の方は躊躇してしまうのではないでしょうか。

そこで私がコストを掛けないで素早く広める方法として「SNSやブログによる戦略」をお勧めしています。

私自身もSNSやこのブログを通じて情報発信をしていますが拡散力は非常に高いと感じています。

例えば、Facebookならプロフィールや日々の情報発信の中にUSPを主張してみるのもいいでしょう。

それにクリック数などCV(コンバージョン)として数値化できるので、市場から受け入れられているUSPであるかの指標を計測することが出来ます。

とにかくUSPはどれだけ多くの人に認知させられるかが鍵となり最終的には市場が価値判断しますので、USPを構想したらどれだけ市場から反応を取れるかテストしましょう。

市場から反応が取れなければ再度練り直してテストを繰り返していくものです。一発で当たりを引くことなんてまず無いと思ってチャレンジしてくださいね。

USPの事例8選

これまでご紹介した以外で代表的なUSPをいくつご紹介していきます。

RAIZAP(ダイエット)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

短期間でマッチョな身体になれるというありそうで無かった提案です。しかも全額返金保証というリスク排除も含めています。

記憶に定着しているのは「結果にコミットする」ですよね。そもそもUSPは絶対に果たさなければならない約束ですが、これは暗に決まっていたものです。

敢えてRAIZAPは言葉にすることでインパクトを与えることに成功しました。

2ヶ月で理想のカラダへ。30日間全額返金保証。結果にコミットする。

ノードストローム(米国の大型百貨店)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

競争相手が「自分だったら取りたくないリスク」を打ち出しています。

日本でも「全額返金保証」という提案はよく見かけますが、「本当に返金してくれるのか?」という不安があります。

これだけ返金保証に関して強く提案することで不安を払拭しています。

購入した商品に何か問題があった場合、どんな理由であれ、お持ちいただければいつでも全額返金いたします。いつまでもとは、3日以内でもなく、7日以内でもなく、30日以内でもありません。

購入から1年後に不満を感じても、5年後に不満を感じても、返金いたします。

BOOKOFF(本の中古買取販売)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

「本を売るならブックオフ〜」というキャッチーなCMのBOOKOFFですが、これまで本屋で立ち読みすることはNGという常識を打ち破った超シンプルなUSPです。

生活者が口にすることは無かったけれどあったら嬉しいという欲求を満たした提案ですね。

立ち読みOK。

フェデックス(荷物配達)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

暗にどこよりも早く届けることができるというUSPです。急いでいるのに早く届けられないという不満を解消しています。

絶対に、何としてでも一晩で届けたいときに。

ASKUL(オフィス用品)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

こちらは社名にもなっているUSPです。オフィス用品を注文してから翌日までに届けるという「オフィス用品」というニッチ市場に絞った迅速なサービスを提案しています。

オフィス用品を明日までにお届けします。

稲葉製作所(オフィス家具製造メーカー)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

どこよりも丈夫な造りであるということを主張しているUSPです。ホームページにも品質を裏付ける製造過程や第三者機関からの証明などが掲載されています。

百人乗っても大丈夫。

みっぷす(パソコン教室)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

「パソコンが苦手で付いていけるのか」「何度も聞くのも申し訳ない気がする」という不安を解消しているUSPです。誰でも真似できるようなUSPですが、誰も思いつかなかったアイディアの詰まったUSPですね。

同じことを100回聞かれても笑顔でお答えします。

QBハウス(ヘアカット)

USPとは?USPを使ったマーケティング戦略と事例集

信号機よりも多いと言われる美容業界で「安く」「早く」髪を切りたいという欲求を満たしたUSPです。

ヘアカット1000円 所要時間10分

最後に

USPとは何か?USPをマーケティング戦略に取り入れるイメージは出来たでしょうか。

一度読むだけでは消化できないかもしれないので何度か読み返してもらって腑に落としてみてください。

USPは実践で何度も作り直してナンボですので諦めずに頑張ってください。この記事をキッカケにあなただけのUSPを発見してビジネス成果に結び付けてもらえたら嬉しいです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

ご意見・質問フォーム

  • この記事を書いた人
hiromasa_ando

hiromasa_ando

ソーシャルビジネス構築の専門家。中小零細企業へのWEBマーケティングコンサル業務と人財育成業務の2つの事業を展開。本業で売上(利益)を出しながら社会課題を解決していく企画から構築支援までを業務にしています。 これまで「不登校」「在宅ママ」などの事業を立ち上げ支援。 一時的な売上(利益)よりも長期的に顧客や社会から愛されるメディアを創る支援をさせていただきます。顧客を煽るようなマーケティングは嫌いです。 関わるすべての人に居場所があり、幸福で持続可能な社会を目指して支援させていただいております。

-マーケティング
-,

Copyright© BRIEND , 2019 All Rights Reserved.