どうも、ブランドマーケッターの安藤です!
今回は「口コミを使ったマーケティング手法」をテーマにお話をしていきたいと思います。
正直口コミでビジネスを拡大できたら嬉しいですよね。それだけ自分自身のことや商品・サービスを気に入ってくれている人がいるって証明でもあります。
でも、現実問題なかなか口コミって簡単にできそうで難しいです。口コミをお願いしても上手く伝わらないまま、誰にも口コミされないということもよくあります。
僕の友人の営業マンにもよく聞きますが、やはり口コミというマーケティング手法を確立できないと、いずれ新規顧客の開拓で疲弊してしまいます。
最初の1〜2年は家族や友人などのホットマーケット(信頼関係のある繋がり)があるので生活はできます。
でも、紹介がないままだと、それ以降は自分で開拓していくものなのでコレがまた精神的にしんどいんです・・・。
最終的には行きたくもない交流会や名刺交換会に参加しないといけなくなります。
顧客のためにビジネスを始めたのに、自分の首が回らなくなるという本末転倒なことが起こってしまいます。
新規顧客はゼロから信用構築をするものですが、口コミというのは口コミしてくれた人の信用を通して連鎖していくことができます。
ビジネスは信用を作るところが最も時間が掛かるため、信用のある状態からスタートできるというのは非常に優位性が高いんですね。
そのためには、「口コミが起こる原理」をしっかり理解しておく必要があります。この原理が分かれば何度でも手法を変えて再現させることが可能です。
この記事を読んでいただければ、再現性のある口コミを起こすためのマーケティング手法を習得できるようになりますので参考になれば嬉しいです。
それでは、始めていきましょう!
目次
口コミの原理を知る
まず、なぜ人が口コミを起こすのか原理を知りましょう。簡単に言うと口コミが起こるのは人の欲求を満たすためです。
事実として何かしらの肯定的な目的がなければ口コミなんて起こりません。ですので、人の欲求を満たすものを提供できれば口コミは起こせるということですね。
具体的には4つのインセンティブがあります。
- お金
- 感動
- 自慢
- 面白さ、楽しさ
4つのインセンティブを1つまたは同時に満たすことができれば口コミを発生させることができます。
今の時代では口コミと言っても大きく2種類あります。それは「リアルの繋がりからの口コミ」と「SNSの繋がりからの口コミ」です。
どちらも共通している点は「人」を介在しているところです。ただ、同じ人ではあるものの口コミの性質が全く異なります。
前者は「濃い見込み顧客」を紹介してくれる可能性が高く、後者は「拡散力」に重点を置いています。これはあなたと口コミする人との関係性の深さが違うからです。
リアルの繋がりは、あなたと口コミを起こす人が対面でのコミュニケーションをしているので、価値観や人柄を共有できています。
口コミする人からすると全く顔を合わせたことが無い人に比べて安心感もあるため、SNSだけで繋がっている人と比べたら口コミをしやすくなります。
でも、口コミしてもらうには、友人に連絡することや会って伝えるというハードルがあるため、それほど多くの人に伝えてもらうことは難しいです。
SNSの繋がりはボタン1つで簡単に共有できることや、情報発信源のコンテンツをそのまま転用できるので自分でどう伝えようか考える必要がなくなります。
例えば、Twitterのリツイート機能やFacebookのシェア機能です。
SNSでの傾向としては、TwitterやInstagramは匿名だから共有されやすく、Facebookは顔出しの方が多いため共有されにくいです。
どうしても顔出しすると本人特定されるため「こう思われたらどうしよう」という強い心理が働きます。2chなどの匿名で好き放題に書かれているのはこういった違いがあります。
SNSは簡単に人と繋がれますが個々の繋がりが全体的に弱いため、リアルの繋がりからの紹介に比べて「濃い見込み顧客」は少なくなります。
では、4つのインセンティブにそれぞれ詳しく解説していきましょう!
お金を提供する
口コミさせるためにインセンティブ(報酬)を提供する方法があります。インセンティブのメリットとしては即効性が高い点です。
紹介してくれたら口コミしてくれた人に紹介料を渡します。
この方法のデメリットは「お金だけの関係」になりやすいところです。
金の切れ目は縁の切れ目という諺(ことわざ)があるとおり、このパターンはより報酬の高い人が現れるとすぐに乗り換えされてしまいます。
お金だけの薄い関係なので、金額の過不足や遅延があると揉め事にもなります。その結果、悪い口コミを起こす人に変貌してしまう可能性も潜んでいるのです。
インセンティブ中心の口コミというのは、人格を変えてしまうほどの力があり、お金のために人を無理やり紹介する人も出てきてしまいます。
インセンティブのみで口コミを起こすマーケティング手法は諸刃の剣ですので、人間関係のできていない状況下で提案するのはあまりお勧めしないです。
最初は表面化しませんが、後から問題となる場合が多いので本当に要注意!
また、人によってはインセンティブを渡すことを嫌がる人もいますので見極められるようにしましょう。ポイントは最初からインセンティブで提案しないで相手の価値観に合わせることです。
感動を提供する
あなたの持っている価値観やビジネスの理念に感動して口コミしてくれる場合があります。実は感動というのは意図的にしようと思ってできるものではないです。
あなたの中にある本当のココロから溢れるものが伝わって、人は思わず感動してしまいます。
メラビアンの法則は聞いたことがあるでしょうか?
聞き手に与える影響が言語情報(7%)、聴覚情報(38%)、視覚情報(55%)という割合であるというものです。
伝達情報の詳細言語情報・・・話す内容
聴覚情報・・・話し方、話す早さ、声の大きさ、声の高低
視覚情報・・・顔の表情、視線、姿勢、しぐさ
メラビアンの法則は間違った情報が一人歩きされているとも言われていて、その背景には言語情報が7%しか影響しないから「話す内容は重要ではない」と考えてしまうことにあります。
これは間違いで、言語情報、聴覚情報、視覚情報のいずれかで矛盾があった場合に、どれを優先して受け手が解釈するするのかを決めるというものです。
例えば、あなたが将来のビジョンについて熱く語っていたとしても、視線が相手に向いていなかったり、話す言葉に力がなかったらそちらを優先するということです。
感動を与えるというのはあなたの一貫した在り方に影響します。あなたの本気さが伝わったときに相手に感動してもらうことができるのです。
映画館で思わず感動すると口コミしたくなりますよね。感動すると誰かに共有したくて我慢できなくなってしまいます。
自慢したくなるを提供する
あなたと関わったことで自慢したくなる体験から口コミしてもらいます。人には誰かに認めてもらいたいという承認欲求があります。
特にSNSなどの普及から嫌でも他人のライフスタイルが情報として入ってくるため、現代の承認欲求はかなり強いものだと思います。
自慢したくなるときは簡単に言うと「優越感」を感じられるときです。この状態をどうやったら感じてもらえるかの方法を考えるといいですね。
女性が好きな男性から特別な存在でいたいという感覚に近いと思います。
例えば、顧客体験というものがあります。あなたの商品・サービスを実際に使ってもらって体験してもらうというものです。
この顧客体験が「Before-After」を感じてもらうことで思わず人に伝えたくなるような効果を作り出すことができます。
面白さ・楽しさを提供する
あなたとの関わりに面白さや楽しさを感じて口コミしてもらえる場合もあります。ここで言う面白さや楽しさというのはお笑い芸人のような「笑い」から生まれるものではないです。
もちろん、お笑い芸人のような「笑い」から口コミが生まれることもありますが、これだと再現性に限界がありますよね。
ここでいう面白さや楽しさというのは、あなたの意見や考え方を聞いて「なるほど!」と相手に感じてもらえることにあります。
特に重要なのは、あなたの意見や考え方であることです。単に事実を伝えたり誰か他人が言っていたことを伝えるのでは意味がないです。
それはあなたである必要がないから。
どうしても自分の意見を本音で伝えるのは怖いものです。これは実績があってもなくても誰でも抱えている防衛本能なんです。
自分の意見や考えを否定する人もいるのですが、それと同時に肯定してくれる人もたくさんいます。これは紛れもなく事実です。
面白さや楽しさを提供するためには、どれだけあなたを自己開示できるかです。
学生時代に暴露大会がありました。「お前は誰が好きなんだよ!」っていう奴ですね。自分自信の暴露大会をずっと続けるような感覚でいてもらえたらと思います。
リアルでの口コミ起こすマーケティング手法
リアルで口コミを起こすときに最も大切なことは徹底的に「誰が口コミするのか」と「誰に口コミするのか」を意識するということです。
そんなの当然わかっている思うかもしれませんが、口コミする人と受ける側の立場になると見えてくるものが沢山あります。
口コミをしてくれる人はあなたよりも商品・サービスに詳しいわけではないです。あなたのことだって、もしかしたら深く理解していないかもしれません。
口コミしたら「紹介料もらってるんじゃないの?」とか「なんか怪しいことでも始めたの?」と嫌な気持ちになりたくないと感じている人もいます。
人は何かしらのポジティブな感情があってこそ口コミをしたくなります。前段でお話したインセンティブがあってこでそです。
更に先を考えてみると、口コミを受ける人は商品・サービスを全く知らないですし、あなたが何者かも知らないので得たいの知れない存在になっていることが多いです。
紹介を受ける人は自分にメリットがない限り紹介は受けないので、会いたくなるようなメリットを提供する必要があります。それは、あなたの口コミしてくれる人を通じて。
口コミする人が営業マンなら上手に広めてくれるかもしれませんが、多くの場合はそうではないですよね。果たして正確に相手に伝えられているのでしょうか?
昔、僕はお客様からこのような言葉を言われたことがあります。「どういう紹介をしたらいいですか?」と。
当時の僕は「好きなように紹介してくれたらいいですよ」と回答していました。
でも、相手の立場になって考えたら何とも丸投げな回答だったのかと反省しています・・・。
たまに僕自身も「こういう人を紹介してくれませんか?」と口コミする側として依頼されることがあります。でも、伝えるための材料がないわけです。
その材料というのは3つです。
・あなたの商品・サービスのベネフィット
・あなたを証明できるもの
それぞれ解説していきたいと思います。
あなたがビジネスをしている理由
個人的に僕がもっとも口コミで重要だと感じていることが「あなたがビジネスをしている理由」です。ビジネスの本質は社会をより良くしていくことです。
お金が欲しいとか、時間が欲しいとか、そういった私利私欲は理解されるかもしれませんが応援したいと思いません。逆の立場であればそんな風に思っている人へ大事な友人を紹介なんてしたくないですよね。
仮に紹介料を受け取れるというインセンティブがあったとしても、自分に対する欲というのは限界があります。人は誰かのために貢献する方が力を発揮するからです。
口コミしてくれる人も、社会を良くしていく想いに共感できれば何か力になってあげたいと思うものです。特に時代的にも社会性を重要視される風潮にあります。
あなたが描いている理想の未来(ビジョン)を共有するようにしましょう。理想の未来が相手に伝われば、時間とともに連鎖していくようになるでしょう。
あなたの商品・サービスのベネフィット
あなたの商品・サービスを受けると「どうなれるのか?」の未来を伝えましょう。口コミする人の立場を考えて、できる限り簡単で覚えやすいメッセージがいいです。
人は商品・サービスの特徴ではなくベネフィットが欲しくて買います。ベネフィットをしっかり伝えてあげることで紹介してもらいたいと思ってくれる可能性が高くなります。
どこかで聞いたことがあるようなベネフィットだと口コミしてもらえないので、必ずあなたの独自の強みもポイントとして伝えるようにしましょう。
あなたを証明できるもの
あなたに会いたくなるようなWEBメディアの力を活用しましょう。ブログやSNSであなたの価値観や活動状況などが見えると安心することができます。
また、口コミしてくれる人が相手へ上手に伝えられなかったとしても、ブログやSNSはあなた自身で文章や動画などで表現されていますのでより正確に伝わりやすくなります。
SNSでの口コミを起こすマーケティング手法
SNSも口コミの原理と全く同じ考えです。リアルでの口コミとは違って面識のない人であるため拡散力が大きなポイントとなります。
リアルでの口コミと違う点は「共有」するかしないかという単純アクションなので、あなた自身が口コミしたくなるような情報をSNS上で発信すればよくなります。
ただし、そう簡単なものでもないです。
これは典型的なSNSでの特徴なのですが、「どの立場の人が伝えるか」という資格が非常に重要になってきます。全く同じことを言っていても共有される数が全然異なります。
それでは、実績のない人はSNSでの口コミは諦めた方がいいのかというと違います。正直、実績が無いなりに継続して情報発信を続けていくことです。
そのうち影響力のある人(インフルエンサー)から共有してもらえたり、「あ、この人の投稿は共感できることが多いな」という人が増えてきて地道に拡散されるようになってきます。
それ以外にも「無料特典をプレゼント」などのインセンティブを支払うという方法もありですね。
SNS上での口コミで「一撃必殺」のようなものは存在せず、諦めずに継続していくことが秘訣になります。継続するときも一貫性を持つようにしてください。
コロコロと意見や考え方が変わると信用できなくなるからです。黒か白かという意見があったとして、昨日まで黒と言っていた人が今日は白と言っていたら嫌ですよね。
自分の信念を貫きながら口コミが起こるまで継続していきましょう!
最後に
今回はリアルとSNSでの口コミについてお話しましたが如何だったでしょうか?
もし口コミが起こらずに新規獲得で苦労しているのだとしたら、自分の在り方を少し見直す良い機会かもしれません。顧客視点ではなく自分視点になっている可能性大です。
僕たち商品・サービスを提供する側というのは、顧客から口コミが起こるぐらい満足する価値を提供し続ける姿勢が大切だと思います。
口では何とも言えますが、やっぱり行動。想像している以上に人はあなたの活動から感じ取っているものです。一本筋の通ったところを見て口コミしたい人かどうかを見極めています。
「Giveの精神」という言葉はどこでも聞きますが、本当に相手の立場に立つというのは案外難しいものです。でも、口コミというのは相手の立場にならないと起こりません。
口コミをしてくれる人の立場になって、どうやったら力を貸してくれるのか、どうやったら伝えやすくなるのかを常に考えていきましょう!