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ブランド名の決め方【全15の発掘方法と評価方法を解説】

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ブランドの作り方

ブランド名は決め方次第で、会社の知名度や売上が何倍にも変わるほどの重要な要素です。

 

過去に株式会社レナウンから「フレッシュライフ」という靴下が販売され、3億円の売上でした。その後、商品名を「通勤快」に改名したところ、45億円の大ヒットとなりました。

ブランド名を変えただけで、15倍の違いを生み出したのです。

ブランド名の効果がどれほどであるかは、火を見るよりも明らかです。

 

しかし、実際にブランド名を決めるとなると、次のようなことに悩むのではないしょうか?

  • ブランド名の決め方がわからない
  • ブランド名を決めるのに時間がかかり過ぎている
  • ブランド名でいいアイデアが浮かんでこない
  • すでに競合が同じブランド名を使っている

 

そこで本記事では、「ブランド名の決め方の全15パターン」と「ブランド名を決めるときの評価基準」についてお伝えします。

「決め方」と「評価基準」が分かれば、魅力的なブランド名を作り出すヒントになるはずです。実務で役立ててもらえると幸いです。

 

ブランド名を記憶してもらう

ブランド名を作る最終目的は「売上拡大」や「知名度向上」など様々ですが、大前提として「ブランド名」をしっかりと対象者に記憶してもらうことが必要です。

記憶に残らなければ思い出してもらうことは無理ですし、インターネットでキーワード検索されることもありません。時間の経過とともに忘れ去られてしまいます。

 

人の記憶は曖昧なものです。それは、心理学者であるヘルマン・エビングハウスという学者の、『エビングハウスの忘却曲線』という理論で証明されています。

エビングハウスは、どれぐらいの時間が経過すると、人が記憶したことを忘れてしまうのかを実験しました。

参考

  • 20分後:42%を忘れる
  • 1時間後:56%を忘れる
  • 1日後:66%を忘れる
  • 1週間後:77%を忘れる
  • 1ヶ月後:79%を忘れる

 

なんと、たった1時間で56%、1日で66%の情報を忘れてしまいます。

あなたも先週の晩御飯を1週間分思い出してみてください、と聞かれたとどうでしょうか?
おそらく答えられないはずです。それぐらい人の記憶というのは曖昧だということですね。

だからこそ、人の記憶に残る魅力的なブランド名を考えていく必要があります。

 

ブランド名の決め方【全15パターン】

ブランド名の決め方

ブランド名を決める方法はいくつもあります。

今回は15個のブランド名の決め方を、事例交えてご紹介していきます。

また、商品・サービスのブランド名の決め方で話を進めていきますが、会社名やイベント名なども基本の考え方は同じなので、置き換えてもらえれば大丈夫です。

ブランド名の決め方は次の通りです。

  1. 置換法
  2. 語頭・語尾変形法
  3. 連結法
  4. 連結省略法
  5. 連結組換法
  6. ダジャレ法
  7. 英字表記法
  8. 漢字表記法
  9. 擬人法
  10. オノマトペ法
  11. 台詞法
  12. 色彩法
  13. 反復法
  14. アズ・イズ法
  15. イメージ発展法

 

15パターンも頭の中で覚えるのは大変なので、まずはサラッと読んでもらい、具体的にブランド名を決めていくときにでも記事を参考に進めてください。

 

置換法

日本語または外国語を「他言語」に置き換える方法です。シンプルですが割と使えます。

歯ブラシで、奥まで届くという意味で「REACH」という商品がありますが、これは日本語から英語へ置換をしています。

ポイント

機能や特徴からキーワードを抜き出してから、他言語に置換する。

日本語、英語以外の置換でも、もちろんOKです。

 

例:関連ブランド名

じゃらん(旅行情報誌)

インドネシア語とマレーシア語の「Jalan」が語源になっています。Jalan Jalanと繰り返すと「小旅行」という意味を指します。

nonno(女性誌)

女性には花のように美しくいて欲しいという想いを込めて、「花」のアイヌ語である「ノンノ」が由来です。ananに対抗して採用されたそうです。

 

参考

因みにネーミング辞典という便利なツールが公開されています。日本語を入力すると、多言語に変換してくれるので、置換を時短させることができますよ。

 

語頭・語尾変形法

商品・サービスなどに直結する機能、特徴などをキーワードに決めて、「頭文字」または「語尾」を変形したり省略する方法です。

もともとの言葉の意味を残しつつ、独自性も押し出すことができるのが特徴的です。

 

例:関連ブランド名

Blendy(コーヒー)

ブレンドコーヒーの「Blend」に「y」を語尾に付け足して、柔らかい音感を創り出しています。テレビCMでもお馴染みです。

ファンタ(清涼飲料水)

英語の「fantastic」の語尾を省略しています。

 

連結法

2つ以上の言葉をそのまま連結させる方法です。「そのまま」なので連結させても言葉を省略・変形はしません。

何と何の言葉を組み合わせるのかが鍵で、連結する言葉の組み合わせ次第で善し悪しが分かれます。

例:関連ブランド名

facebook(SNS)

「face」と「book」を組み合わせて、大量に人がいるようなイメージを創り出しています。

ブレスケア

「ブレス」と「ケア」を連結させて、商品の効果も同時に伝えています。

 

連結省略法

2つ以上の言葉を部分的に連結させたり、省略したりする方法です。

言葉は省略しすぎると意味合いが伝わりにくくなってしまうのですが、こちらの方法は、ある程度の意味が通じるように残しているのがミソです。

例:関連ブランド名

ダスキン(清掃用品)

埃の「ダスト」と雑巾を組み合わせて生まれた名前です。

メグミルク(乳飲料)

自然の恵みの「メグミ」と「ミルク」を組み合わせた名前です。「ミ」がどちらの意味合いにも掛かっています。

 

連結組換法

ブランド名は、商品・サービスの「機能」「特徴」「利用シーン」などから決めていくことが王道中の王道ですが、複数の文字の「頭文字のみ」を連結させて1つの名前にしてしまう方法もあります。

例:関連ブランド名

アメダス(気象観測システム)

Automated Meteorological Data Acquisition Systemの略称です。各単語の頭文字をつなぎ合わせると「AMEDAS(アメダス)になります。頭文字をつなぐことで、天候の「雨」という意味も含めています。

ASICS(スポーツメーカー)

「健全な精神は健全な肉体に宿る」という意味を、ラテン語にすると Anima Sana InCorpore Sano になります。頭文字をつなぎ合わせると「ASICS(アシックス)」です。

 

ダジャレ法

そのままの意味で「ダジャレ」を使って名前を決める方法です。「通勤快足」もダジャレ法で作られた名前の1つです。

ダジャレ法はインパクト重視で、とにかく記憶に残してもらいたい場合には効果的な方法となります。

例:関連ブランド名

スベラーズ(日用品)

階段用滑り止めで「スベラーズ」です。効果がすぐに分かります。

消臭力(消臭剤)

部屋の消臭剤と、プロレスラーの長州力を掛け合わせ、商品そのものの効果に力強さがあり効果に期待できるような名前です。

 

英語表記法

あたかも英語?と思わせるのですが、実際には日本語の言葉をそのまま英字で表現する方法です。

例えば、「英語」→「Eigo」(あえてEnglishにしない)のような表現にします。

例:関連ブランド名

JOBA(健康器具)

乗馬の姿勢で健康促進を図ることから考えられました。

docomo(携帯)

何処も(docomo)コミュニケーションエリアになるという意味で作られた名前です。do communications over the mobile network の頭文字の組み合わせにもなっています。

 

漢字表記法

商品・サービスの次のような要素を「漢字」の名前にする方法です。

  • 実体
  • 特徴
  • 機能
  • 使用感
  • 使用目的
  • メリット

あえて漢字にすることで、漢字だからこそ伝わる意味や雰囲気を訴求できるという特徴があります。

例:関連ブランド名

植物物語(石鹸)

植物原料が100%でこだわり抜いた物語があるということから名付けられました。

爽健美茶(飲料水)

商品コンセプトが「爽やかに、健やかに、美しく」だったので、それぞれの頭文字を組み合わせた漢字を採用しています。

 

擬人法

商品・サービスを擬人化して名前を付けてしまうという方法です。

擬人化することで商品・サービスを身近な存在として認識して、親近感を持ちやすくなります。

例:関連ブランド名

あきたこまち(米)

小野小町が秋田出身で「あきたこまち」です。秋田美人という意味も連想できるため、美味しそうなお米のイメージを感じられる名前となっています。

ケイコとマナブ(スクール情報誌)

「ケイコやマナブ」の人名と「稽古と学ぶ」という意味をかけており、目的である習い事や稽古の意味を暗に示しています。

 

オノマトペ法

オノマトペの意味は「自然界の音・声、物事の状態や動きなどを音(おん)で象徴的に表した語」です。

  • ドカーン
  • サラサラ
  • わんわん

これら擬音のことを指します。オノマトペ法は、商品・サービス名に採用する方法です。

例:関連ブランド名

ガリガリくん(氷菓子)

アイスを食べたときの「ガリガリ」という擬音を名前にしています。また、「くん」は擬人法を採用した組み合わせ技です。

ゴキブリホイホイ(殺虫剤)

たくさん取れる様子を「ホイホイ」という擬態語にしていて、リズミカルなだけではなくて暗に効果も示しています。

 

台詞法

普段の日常的な会話で使っているセリフを名前にしてしまうという方法です。

親近感を持ちやすく、台詞と利用シーンが一致すれば大いに力を発揮することができます。

例:関連ブランド名

ごはんですよ(食品)

この会社の社長が、子供たちに「ごはんですよ」と呼びかけているのを聞いて閃いたそうです。

おーい、お茶(飲料水)

最初は「缶入り煎茶」でしたが、過去に同社のCMで「お〜い、お茶」というシーンがあり、その言葉をそのまま採用しました。

 

色彩法

商品・サービスに関連する「色」に注目して、そのカラーイメージを名前にする方法です。

例:関連ブランド名

白い恋人(お菓子)

創業者があるとき雪の降っている様子を見て「白い恋人たちが降ってきたよ」と言ったことが名前の由来です。

グリーンピア(リゾートホテル)

自然に恵まれた環境の良さを訴求するために「グリーン」というカラーイメージを採用しました。

 

反復法

商品・サービスの「機能」や「特徴」を2回反復して、リズミカルに表現する方法です。

リズミカルなので名前に軽快さがあり、親しみやすさを持ちやすいところが、この方法の特徴です。

例:関連ブランド名

キレイキレイ(手洗い洗剤)

小さな子供に伝えるときの「キレイキレイしなさい」を、そのまま商品名にしています。

ミルミル(健康飲料水)

原料となっているミルクも暗に意味を持たせており、対象としている子供も覚えやすい商品名となっています。

 

アズ・イズ法

商品・サービスの「そのまま」を語っていくという方法です。

商品・サービスの特徴や、一番訴求したい点をストレートに伝えることにより、飾らないシンプルさで記憶に残すことが狙いです。

例:関連ブランド名

南アルプスの天然水(飲料水)

産地と水が商品であることを真っ直ぐに伝えた名前です。

うまい棒(お菓子)

いろいろと案を考えたあとに「うまいんだからうまい棒で」という理由で決まったらしいです。世代を超えて誰もが知っている人気商品です。

 

イメージ発展法

商品・サービスの「機能」や「特徴」から連想されるものであったり、その商品・サービスを通して創り出される世界観を名前にする方法です。

直接、実在する名前を使用することもあれば、世の中には実在しないけど「らしさ」を象徴するような名前にすることもあります。

イメージからの連想であるため、キーワードが記憶に残りやすい点が特徴です。

例:関連ブランド名

アクエリアス(飲料水)

ラテン語の水瓶座から、水を満たした優しいイメージから出てきた名称です。

霧ヶ峰(エアコン)

エアコンの創り出す空間が、長野県の霧ヶ峰の気候のイメージとぴったりであることから命名されました。

 

ブランド名の決め方【評価基準】

ブランド名の案がいくつか出てきたら、最終的にどのブランド名を採用するのかを評価していきます。

評価をするには、評価するための「観点」が必要です。ここからは、魅力的なブランド名であるか否かを見極めていくための観点の紹介をしていきます。

ブランド名の決め方

冒頭でご紹介した「通勤快足」ですが、このブランド名は社内公募によって決まりました。

通勤快足という商品は、紳士用の抗菌防臭靴下(足の臭いを抑える効果)です。なので、ターゲット層はサラリーマンです。

通勤快足の素晴らしい点は4つあります。

  • 文字数が少なくて覚えやすい
  • 「通勤快速」のダジャレになっている
  • 「通勤」というサラリーマンにとって身近な言葉を使っている
  • 「快足」という言葉から効果が容易に想像できて購買意欲を掻き立てられる

このように、優れたブランド名には法則があります。それらの共通点は次の通りです。

  1. 覚えやすい
  2. 独自性・固有名詞になっている
  3. 発音しやすい
  4. 検索しやすい
  5. 音感がいい
  6. 利用シーンに適合する
  7. 同カテゴリーで商標登録されていない

 

それでは①〜⑦まで順番に見ていきいましょう。

 

覚えやすい

直感的に覚えやすいワードを選びましょう。AとBはどちらが覚えやすいでしょうか?

具体例

A:ユニーク・クロージング・ウェアハウス
B:ユニクロ(UNIQLO)

誰が見ても「B」が覚えやすいですね。

ユニクロのブランド名は、もともと「A」のユニーク・クロージング・ウェアハウスでした。

もしもブランド名が「A」のままだったら、ここまで知名度を高くすることは厳しかったかもしれません。

 

独自性・固有名詞になっている

独自性・固有名詞を含めることで、同じようなブランド名に埋もれないようになります。

イチゴで有名な「あのブランド」も独自性・固有名詞をブランド名にしています。AとBでは、どちらが独自性を感じるでしょうか?

具体例

A:甘い王様
B:あまおう

「A」も悪くないですが、どうも無難な感じです。いっぽうで、あまおうは「甘い」と「王様」の両方の意味を暗に連想させる名前になっています。

 

発音しやすい

ブランド名を言葉にしてみたときの発音のしやすさも重要です。なので、ブランド名の候補ができたら、まずは発音しやすいかどうかを言葉にしてみましょう。

なお、「M」、「K」、「S」は発音しやすいとされています。

フリマアプリの「メルカリ」は「M」と「K(C)」が発音に含まれており、とても発音しやすいですよね。

人は発音しやすい言葉や名前に対して愛着を抱く傾向があり、品質が同じブランドなら発音しやすい方を選択するそうです。(情報元:影響力の武器 実践編)

 

検索しやすい

いまは何でも検索する時代です。

スマホやパソコンから検索するときの打ちやすさも検討の余地ありです。難しい漢字に変換するなどの手間がかかるブランド名はやめておきましょう。

次の例を見てください。どちらが検索しやすいですか?

具体例

A:洗膾
B:洗濯

あきらかに「B」のほうが検索しやすいですよね。「A」は洗膾(あらい)と呼びますが、意味は「B」と同じ洗うことです。

インターネットからの購入が主流のご時世で、文字入力が困難なブランド名は「売る気がない」のと同義です。

  • 誰でも読み方が分かる
  • 文字数が少ない(できれば4〜5文字以内が望ましい)

 

この2つの条件どちらも満たすようにしてください。

 

音感がいい

ここでいう「音感」は、音から感じられるイメージです。次の花はどちらが前向きなイメージを描きやすいでしょうか?

具体例

A:ヘレボラス
B:クリスマスローズ

圧倒的に多くの人は「B」を選択すると思います。「B」の方が「クリスマス」という言葉に前向きなイメージを持っているからです。

実は「A」と「B」は同じ花で別称です。「通勤快足」のように名前を変えただけで売れるようになる、ということはよくあります。

なるべく前向きになる「音感」を選ぶようにしましょう。

 

利用シーンに適合する

実際にブランドが利用されるシーンを考えてみましょう。

例えば、イチゴの「あまおう」はソフトクリームと一緒に販売されるのですが、「あまおう苺ソフト」という名前で販売されます。利用シーンによっては、「あまおうパフェ」かもしれません。

しっかりと想定される利用シーンを見据えて、適合する名前にしていきましょう。

 

同カテゴリーで商標登録されていない

商標登録しないままブランド名を利用していると、後日、そのブランド名が使えなくなってしまう場合があります。

ブランドの価値が高まれば高まるほど、それに比例してブランド侵害可能性も高くなるので、できれば商標登録はしておいた方がいいでしょう。

なお、商標登録は商品・サービスなどに紐付いているため、「同じ名称」であるかどうかが商標権によって規制されるわけではないです。詳細は特許庁や関連サイトにてご確認ください。

 

まとめ

さて、これまでブランドの作り方と評価方法をご紹介しました。簡単にまとめると次の通りです。

ブランド名の15個の作り方

  1. 置換法
  2. 語頭・語尾変形法
  3. 連結法
  4. 連結省略法
  5. 連結組換法
  6. ダジャレ法
  7. 英字表記法
  8. 漢字表記法
  9. 擬人法
  10. オノマトペ法
  11. 台詞法
  12. 色彩法
  13. 反復法
  14. アズ・イズ法
  15. イメージ発展法

 

ブランド名を評価する方法

  1. 覚えやすい
  2. 独自性・固有名詞になっている
  3. 発音しやすい
  4. 検索しやすい
  5. 音感がいい
  6. 利用シーンに適合する
  7. 同カテゴリーで商標登録されていない

 

方法名などは丸暗記する必要はないので、この記事を参考にしながら進めていただければ問題ないです。

ブランド名のアイデアの組み合わせは無限にあるため、期限を決めないとハマります。ですので、いつまでに完成させるのか決めてから進めていきましょう。

ブランド名に正解はないのですが、経験上いいブランド名に出会えると、直感的に「これがいいな」という感じでしっくり来るものです。

魅力的なブランド名が誕生することを願っていますので、ぜひチャレンジしてみてください。

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  • この記事を書いた人
hiromasa_ando

hiromasa_ando

ソーシャルビジネス構築の専門家。中小零細企業へのWEBマーケティングコンサル業務と人財育成業務の2つの事業を展開。本業で売上(利益)を出しながら社会課題を解決していく企画から構築支援までを業務にしています。 これまで「不登校」「在宅ママ」などの事業を立ち上げ支援。 一時的な売上(利益)よりも長期的に顧客や社会から愛されるメディアを創る支援をさせていただきます。顧客を煽るようなマーケティングは嫌いです。 関わるすべての人に居場所があり、幸福で持続可能な社会を目指して支援させていただいております。

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